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さらに彼らが考案した「洋式便器・健康体操」も大ヒットする

徳川家康と千姫は洋式便器メーカーのコマーシャルタレントに起用され、大人気を博し私は洋式便器なるものをうまく使いこなせず、次第にイライラがつのり、洋式便器恐怖症に陥っていたのですがこんなことはうかつに他人には相談できません。
それで身内の孫娘の千姫に相談することにしました。
「おじいちゃんは今流行りの洋式便器なるものをうまく使いこなせなくて困っている、熊っているのだ。千姫、お前はうまく使えるか？」すると千姫はこう答えたのです。
「私も今流行りの洋式便器なるものをうまく使いこなせなくて困っている、熊っている」
実は千姫も私と同じように前向きにしゃがんで用をたしていたのです。
そのままではいつまで経っても埒が明かないので、私たち2人は有名な便器メーカーのお客様相談室に相談することにしました。
便器メーカーからきた返事はまさに信じられないような驚くべき内容でした。
送られてきた使い方の説明書によると「この便器を使用する人は便器の上に両足で立って、前向きにしゃがんで用をたすことは絶対にしないで、便器に後向きに座って用をたしてください」というもので、何と人間がこの便器の上で両足で立たないで、しかも後向きに座って用をたしている絵まで書いてあったのです。
私たち2人は驚きのあまり目を疑いました。
私たち2人は昔の人間をバカにした悪い冗談だと思いました。
私たち2人は大きな驚きのなかで戸惑いながらも必死に平静を装い、この洋式便器の使い方をマスターする為に勇気をだしてその練習に取り掛かったのです。
便器に後向きに座るなんて、神棚に尻を向けるのと同じでバチがあたるのではないか、こんなことをしたら日本の武士道精神に反するのではないかなどと考えて躊躇する気持ちもあって、最初は恐る恐る死ぬ気で座りました。
だがその一方で便器に後向きに座って用をたす、こんなことのできるチャンスはめったにないのだから是非一度はやってみたいと思う好奇心もありました。
私たち2人はこのような実に複雑な気持ちを抱きながら、悲壮な決意をもってこの練習を始めたのでした。
私たち2人は今でも洋式便器を見るとあの当時の苦しくも楽しい日々を思い出し、涙がこぼれるのです。
私たち2人は用をたさない時でも、お揃いのユニフォームを着てトイレに入り「1日も早く洋式便器の使い方をマスターするのだ」の一念で慣れない洋式便器にぎこちなく後向きに座ってうまくタイミングをとりながら力を入れる練習、ふんばる練習、いいうなり声をだす練習にくる日もくる日も根気よく励んだのです。
最初のうちはなかなか思うように上達しませんでした。
最初は力を入れても、ふんばってもオナラしかでませんでした。
しかし、しばらくすると徐々に上達し始め、まもなく私たち2人は洋式便器の使い方をマスターしたのです。
それと同時に、この努力・熱心さ・ユーモラスさが広く社会に認められ、私たち2人はとうとう有名便器メーカーのコマーシャルタレントに起用され、江戸時代の着物姿で洋式便器に後向きに座り、楽しそうに力を入れる、ふんばる練習をしているコマーシャルが大ブレークし、大人気を博したのでした。
それと同時に私たち2人が考案した便通をよくし痔にも効き、ダイエットにもなる「洋式便器・健康体操」も大ヒットし、私たち2人は「洋式便器の神様」と呼ばれるようになったのです。
「洋式便器・健康体操」は用をたしながらできるという手軽さと疲れたらそのまま便器に座って休めるという便利さともあいまって、数ある健康体操の中でも常に人気トップをひた走り、日本を代表する健康体操といわれるほど大ブレークし、大ブームとなったのです。
私たち2人にとってのこの楽しい「洋式便器との戦い」は21世紀の忘れえぬ楽しい思い出となり、さらに私たち2人の主演による映画「家康・千姫の21世紀の関ヶ原、洋式便器との戦い」も大ヒットし、私たち2人の歌った主題歌も大ヒットし、大の苦手だった、使い方も知らなかった洋式便器のおかげで人生最高の時を迎えたのでした。