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月姫・星姫超高速宇宙船に乗ってすべてのスピード記録を樹立する

人類の大空、宇宙への挑戦は1903年のライト兄弟の初飛行から始まりました。
続いてリンドバーグの大西洋初横断飛行。
そしてロケットの時代になり、人工衛星の打ち上げ、ガガーリンの人間衛星の飛行、アポロ11の月面着陸、各国の惑星探査……と、人類の宇宙開発は徐々に進歩し、壮大さを増してきたのです。
そして、西暦が区切りのいい2,000年代となった21世紀の今、我らのスーパーヒロイン月姫・星姫姉妹が彼女らの生誕200年を記念する大冒険、大宇宙飛行を行い、人類の宇宙開発の歴史を大きく前進させる大快挙を成し遂げたのです。
そしてついに彼女らは、世界最初の人気女性アイドル宇宙飛行士第一号となったのです。
彼女らは約1世紀ぶりに21世紀の日本に初来日し、懐かしい日本の生活をエンジョイしていますが、その来日の大きな目的の一つは生誕200年を生まれ故郷の日本で過ごしたいという強い希望もあったのです。
彼女らは常日頃から「私たちは不老長寿の乙女で10年に1歳しか年をとらない。200歳を越したと言っても、心も体も見た目も20歳の乙女よ」などと豪語していますが、まさにそのとおりで見かけも体力も20歳の乙女で十分通用するのです。
ですからハードな宇宙飛行も平気なのです。

先日彼らは私にこう言っていました。
「私たちの今回の宇宙飛行のことを娯楽SF時代劇で紹介するんでしょう。物語も宇宙船も本人の私たちが見て楽しくなるように作ってね。江戸小町の心意気を21世紀の人々に見てもらいたいの。そして私たちの名前を宇宙開発の歴史に大きく残したいの」
2人にそこまで言われれば、私もむげにはできません。
得意のバカ知恵を目一杯ふりしぼって書きました。
どうぞご覧下さい。

2017年（平成29年）3月、日本の宇宙開発事業団は次のような緊急特別声明を発表したのです。
その内容は「現在1世紀ぶりに日本に来日している月姫・星姫大先生の長年の各方面にわたる偉大かつ楽しい功績をたたえ、また彼女らの生誕200年を祝い、日本が総力を結集して開発した世界最高レベルの超高速宇宙船「月姫・星姫江戸小町号」を銀河・宇宙に飛行させ
１、まず太陽系内をテスト飛行コースとし、スピードチェック飛行をする。
２、次に人類初の太陽系からの脱出に挑戦する。
３、さらにはるか遠くのおとめ座まで一気に超猛スピードで飛行し、すべてのスピード宇宙記録に挑戦する。
このことはすでに彼女ら二人には通知されており、二人は宇宙飛行士としての特別訓練も終わり、超難関と言われる超高速宇宙船操縦免許も取得し準備万端。飛行の日を指折り数えて待っている状況であります」というものです。
このニュースは日本中はおろか世界中に大々的に報道され、世界中が「月姫・星姫大宇宙超ハイスピード宇宙飛行フィーバー」にわきかえったのです。

出発の日がやってきました。
アメリカ、アンドリュース空軍基地に用意されたピンク色の最新型の超高速宇宙船「月姫・星姫江戸小町号」の前に、彼女らはかっこよくも可愛いピンク色の宇宙服に身をつつみ、姿を現しました。そしてまず、盛大な出発式に臨んだのです。
トランプアメリカ大統領そして花かるた日本国首相の祝辞がのべられ、続いて今でも優しく二人を支えてくれている大好きな月星頭巾からも激励の言葉がのべられました。彼女らも感激のあまり大粒の涙を流しながら挨拶し、最後に日本の空の方角へ向かって泣きながら「小野小町おばあちゃん行ってきます」と叫んで宇宙船に乗りこんでいったのです。
実は彼女らは平安時代の女流歌人小野小町（美人で恋歌がうまかった）の血を引くサラブレットだったのです。
宇宙船は滑走路を動き始め、ブラスバンドの演奏する「銀河大陸横断鉄道」や「軍艦マーチ」などに送られて彼女らの操縦する宇宙船は大空へ飛び立っていったのです。

１、太陽系内をテスト飛行コースとし、スピードチェック飛行をする
太陽の周りには多くの惑星が周回しており、太陽とその惑星を総じて太陽系と言われています。
太陽の一番近くを回る水星は太陽の光と熱をもろに浴び灼熱の世界です。逆に太陽の一番遠くを回る冥王星は太陽の光と熱がほとんど届かず暗く極寒の世界です。※彼女らの乗る宇宙船は防熱・防寒の両方の処置が充分になされ、どんな熱さ、寒さにも絶対に負けないスーパー宇宙船なのです。
その冥王星は太陽から約60億キロも離れており、その周回軌道も一周約400億キロもあり、超猛スピードでスピードチェックをするには絶好のコースです。
もう一つは冥王星の軌道上から太陽へ向かって飛び、太陽の近くを通過して反対側まで一気に飛ぶ直線コースです。
これも約120億キロあります。
地球が太陽の周りを一年かけて回る周回コースが約10億キロですから、どちらも超猛スピードでスピードチェックするには充分な距離があると言えるでしょう。
彼女らは口には出しませんが、江戸大学の航空・宇宙学部を首席で卒業した超エリートエンジニアで、しかも抜群の体力もあわせ持ったスーパーウーマンなのです。
ですから彼女らは男性でも恐れるようなこの超猛スピード宇宙飛行に平然と立ち向かい、ビンビン、スピードレバーを引き、太陽系内をF1レーサーのようにぶっ飛ばしているのです。
彼女らは時には木星や土星なども観察しながら約10日間に及ぶスピードチェック飛行は充分な成果を上げ終了したのです。

実は彼女らに口止めされていて人には内緒にしていることなのですが、
彼女らは内緒でこっそりとある男を宇宙船に乗せ、無重力の宇宙船の中でプロレス技のドロップキックやバックドロップ、ブレーンバスターなどがうまくできるか、実際にやって実験したのです。やはり無重力の宇宙船の中ではいくらドロップキックの名人でもうまくできなかったのです。この男が私であるかどうかは口止めされているので言えませんが、このことは絶対に口は出せないことなので、活字に書くだけにして私はこのことは口に出さないで知らんふりをしていようと思っています。

２、人類初の太陽系からの脱出に挑戦する
太陽系の一番外側を回る冥王星は太陽から約60億キロ離れており、この周回軌道からさらに外に脱出すれば人類初の太陽系からの脱出となるのです。彼女ら二人は冥王星の周回軌道上におり、少し加速して太陽系を脱出することも容易だったのですが、やはり地球が恋しくなったのでしょうか。いったん地球の見えるところまで太陽に近づき、地球をじっくり観察してそれから冥王星の方向へ向かって一気に加速し、超猛スピードで太陽系からの脱出に成功したのです。
これで第一の目的である「人類初の太陽系からの脱出に成功したのです」

３、はるか遠くの乙女座まで一気に超猛スピードで飛行し、すべてのスピード宇宙記録に挑戦する。
乙女座は6月上旬の夜8時ごろ、南の空に見える星座です。
正義の女神アストライアをかたどった星座で、月姫と星姫が憧れるのは無理はありません。α星はスピカで地球から350光年、3.311兆キロの距離にあります。

スピードの新記録を出すとしたら、直線の長い距離をぶっ飛ばすのが一番いい方法です。彼女ら二人はもう絶対に破られないほどのスピードの宇宙記録を目指して、3.311超キロものもの距離にある乙女座のスピカを目指して超猛スピードで飛び続けたのです。その結果数々の素晴らしいスピード記録が誕生したのです。

・秒速＝1億キロ、・分速＝57億キロ、・時速＝3,000億キロ、・日速＝5兆キロ

彼女らの打ち立てたこのスピード記録はもちろんギネスブックにも大きく燦然と輝いています。

この大記録について、航空・宇宙学の専門家も笑いながらこう述べています。
「このスピード記録は将来何年経とうがまず絶対に破られないほどの大記録。もし破られるとしたら他の娯楽・SF小説のなかだけだろう」

彼女らの今回の数々のスピード記録樹立の陰に、多くの人々の協力があったのはもちろんですが、やはりこの人が優しく暖かい気持ちで大きな協力をしてくれたのです。
その人とはもちろん彼女らが大好きな月星頭巾です。

彼ら3人が天に召されて以降住んでいる銀河の彼方にある惑星。
その惑星の名は「フレンドシップ3、3人の友情星」というのですが、そこに彼が緊急支援基地をつくり、万が一の場合救援ロケットが打ち上げられ、食用、燃料補給や救助活動などが行われる準備が成されていたのです。
そのことは彼女らも充分に知っていて、彼女らも月星頭巾の兄貴には大きな感謝を持っているのです。

はるか遠くの乙女座のスピカまでスピード記録樹立をめざし超猛スピードでぶっ飛ばしたわけですが、帰りの飛行はのんびりと観光名所見物飛行とすることになりました。

窓から見える銀河の星の美しさに彼女ら二人は大はしゃぎです。
銀河の星たちも、彼女ら二人の宇宙旅行のニュースを知っていろいろと色を変えてラブコールのウィンクを送ってきました。

天の川では織姫が手を振って見送ってくれました。

「銀河大陸横断鉄道」や「銀河鉄道999」の走る姿も見物しました。
「宇宙戦艦ヤマト」も見物しました。

銀河SF遊園地にも立ち寄って楽しく過ごしました。

こうして数々のスピード記録を樹立し大成功の飛行を終え、今度は日本の自衛隊基地へ無事帰還したのです。

嵐のような数々の大歓迎が待っていましたが、彼女らは長旅の疲れも見せず、無事歓迎行事をこなし、最後にマスコミにも隠れ、こっそりと尊敬する大好きな遠い祖先の小野小町の墓に出向き、うれし涙をいっぱい流しなら「おばあちゃん、無事帰ってきました」と喜びの報告をしたのでした。

今回の「月姫・星姫スピード宇宙記録を樹立する」は彼女らの宇宙飛行シリーズの第一弾のようなものです。
今年中にはがらりと趣の変わった第2弾をご紹介しようと思っています。