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江戸大学・天文学部に入り、月光の観測・研究に没頭する。
この物語の主人公・月星剣学は
1800年(寛政12年)江戸・浅草寺の近くで生まれた。
剣学という名は、両親が剣術にも学問にも秀れた人間になってほしいという
願いをこめたすばらしい名で、彼は両親の期待どおり、文式両道秀でた
すばらしい少年に成長していった、彼は浅草・寺小屋を主席で卒業し、
当時、日本の学問の最高峰、超エリートといわれた本郷にある江戸大学・天文学部に入り以前から疑問と興味をいだいていた月の光、月光の観測・研究に没頭したのです。
月の光、月光の観測・研究においては、彼の右にでる者はなく
いつしか彼は人々から「月光博士」と呼ばれるようになったのです。
なぜ彼はこれほどまでに月の光、月光の観測・研究に没頭したのか
それには人に言えないある恋の秘密があったのです。
その恋の秘密とは何か、それをこの物語をお読みになられている貴方様だけに
こっそり、お教えいたしましょう
月の光、月光の実態を探求したいという天文学者としての意地・執念・探究心は
もちろんありましたが、それに加え恋しい、大好きなかぐや姫に会いたいという
恋心が、彼の観測・研究に一段とはずみをつけたのでした。
恥ずかしながら彼は、昔月に帰ったといわれているあのかぐや姫に恋をしていたのです
そして、もし生きていたら望遠鏡で見えるのではないかと本気で考えていたのです。
世界的な天文学者としてはあまりにも幼稚な考えが心の片隅にあったのです。
いくら頭脳の秀れた大天文学者でも、しょせん恋は盲目、恋とはそんなものなのです。
月の光、月光の実態を探求したいという天文学者としての探究心と
恋しい、大好きなかぐや姫に会いたいという切ない男の恋心が
今でいう相乗効果、シナジー効果を生み、彼の観測・研究に一段とはずみをつけたのでした
かぐや姫が月を見ては泣いていたように
彼も又、月を見ては、恋しい、大好きなかぐや姫を思いだし、人知れず泣いていたのです。
その涙はさぞかし、彼の観測・研究の妨げになったでありましょう。
特に夏の七夕祭になると、夜空に光る天の川にかぐや姫と月光星が
年に1度のランデブーをするという自作の恋物語をつくって
月を見ては、その恋物語によいしれていたのです。
そんな時の彼はロマンチックな天文学者というよりも、むしろ
変態気味の天文学者だったのかもしれません。
彼が常にのぞきこんでいた天体望遠鏡も
天体望遠鏡というよりも、むしろ変態望遠鏡というべきだったかもしれません。
さて冗談はさておき、何はともあれ
彼は長年の観測・研究がみのり
みごと世紀の大発見をするのです。