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    華のお江戸の快男児 月光・星空・恋頭巾 恋頭巾ドットコム

    第1部
    目次

    あとがき


    第2部
    目次

    「江戸城タワーランド」開幕を飾る月姫・星姫姉妹の大空中ブランコ・ショー

    待ちに待った「江戸城タワーランド」開園のその日がついにやってきました。
    午前9時の開園を待ち切れず、3日も4日も前から徹夜して待った時代劇ファンをはじめ、多くのファンの列がタワーランドの周囲を幾重にも取り囲んでいます。午前9時の開園と同時に多くの来園者が園内にどっとなだれこみ、園内は多くの人・人・人であふれかえっています。 それでは今日、開園しました「江戸城タワーランド」自慢の楽しい売り物を順をおってご紹介いたしましょう。

    (1)世界一高い建造物「江戸城タワー(1603m)」
    徳川組建設(株)社長・徳川孫康氏がひい・ひい・ひい・ひい・ひい・・・おじいさんである徳川家康公のお城というだけではなく江戸時代の象徴であった江戸城そっくりに世界最高水準の建築技術と科学技術の粋を目一杯投じて建てたのがこの「江戸城タワーランド」1番の売り物である。
    世界一高い建造物、高さ何と1603mもある江戸城タワーなのです。
    この江戸城タワーの高さは江戸幕府が開府された西暦1603年にちなんだ1603mで周囲100km以内なら、まずどこからでもすぐ見えます。
    この江戸城タワーは特に日本人の心にはぴったりで、周囲のどこから見ても壮観で江戸時代にタイムスリップしたような気分にさせられます。
    江戸の夜空をハッピーにそめる江戸城タワーの夜のカラフルなライトアップはそれはそれはとてつもなくファンタジーでビューティフルです。
    特に一番上の高さ1603mの天守閣からはなたれる回転式のハピネスライトの光のすばらしさは圧巻・絶品です。
    この光は江戸の人々に幸福を招く7色の幸福の光と呼ばれ、見る人々の心を19世紀的な幸福な気分にさせます。

    展望台は3つあり、一番上が天守閣・展望台(1603m)、続いて第2展望台(1000m)、第1展望台(700m)でこれらはいつも常時超満員でラッシュアワーなみの込み様です。
    3つとも江戸じゅうを一望に見渡せるほどの高さにあり、晴れた日は遥か遠くの富士山までもがくっきり見えるのです。

    タワー中頃には未来の宇宙旅行の夢を先取りした観光宇宙船が発着する江戸城エアーポートがあり、ここから観光宇宙船「銀河・徳川家康号」「銀河・千姫号」「銀河・伊能忠敬号」が「日本一周コース」「世界一周コース」「太陽系一周コース」の旅に向かって多くのお客様の楽しい夢をのせて発着しています。

    タワー内を上下する高速エレベーターの内装工事には娯楽時代劇商会も参加し、娯楽時代劇風につくられました。
    エレベーター内側のスクリーンには歴史年表風に歴史上の大スターが次々と登場するのです。 たとえば高さ239m付近を通過する時は邪馬台国の卑弥呼女王様が現れ「いらっしゃいませ、邪馬台国の卑弥呼です」と声をかけてくれるのです。
    645mを通過する時は聖徳太子が、1000mの時は紫式部が1192mの時は征夷大将軍・源頼朝が、1568mの時は織田信長が1583mの時は関白・豊臣秀吉が、そして最後に1603mの天守閣に着く時は征夷大将軍・徳川家康がそれぞれ声をかけてくれるのです。
    すなわち歴史に詳しい人は登場する大スターによって、その時の高さがわかる仕組みなのです。

    (2)ミニ環状線、SL「赤穂浪士号」「新選組号」。
    タワーランド2つめの売り物がランドの外周を煙をはきながら回っている、SL「赤穂浪士号」赤色、反時計回りとSL「新選組号」青色、時計回りの2つのSL列車です。2つの列車とも始発駅は江戸城タワー駅で山手線のように、終日多くのお客様を乗せて周回しているミニ環状線です。

    「赤穂浪士号」は名のとおり赤色のSL列車で赤穂城、江戸、吉良屋敷といった赤穂浪士ゆかりの地名の駅を通って走っています。
    「新選組号」は彼らのトレードマークのだんだら羽織の色の青色のSL列車で近藤勇、土方歳三、沖田総司といった新選組のトップの名前の駅を通って走っています。

    近くに赤穂浪士や新選組のちょんまげ、衣装、刀などを貸す、貸衣装があり、赤穂浪士や新選組のかっこうをして、団体で列車を貸し切るマニアも結構いて、赤穂浪士や新選組がSL列車に乗って、吉良屋敷や池田屋に乗り込むような風景です。

    2つの列車ともそれぞれの車輛には大きなスクリーンが取り付けられていて、赤穂浪士と新選組が活躍するハイライトシーンが映しだされています。
    2つの列車とも江戸時代を代表する戦う武闘集団の列車らしく煙を勇ましく、勢いよくはきながら「えい・えい・お~」と勝どきをあげて走っています。

    (3)けったいな馬が担ぐ、2階建て早カゴ
    タワーランド3つめの売り物がけったいな馬が担ぐ、世にも奇妙な2階建て早カゴです。
    この馬たちは以前、サーカスで曲芸をしていたスポーツ万能の馬で後ろの2つの足だけで立っていくらでも歩いたり、走ったりできるだけでなくなかには馬の2本足走、100mと200mと400mの世界記録をもっているすごい馬もいるのです。
    しかも馬のくせに、日本語もさらに関西弁もペラペラというけったいなスーパーホースなのです。
    このけったいなスーパーホースが特大の人間の着る着物を着て、鉢巻きを巻いて特大の馬鉄付のわらじを履いて、特大の2階建て早カゴを肩に軽々と担ぐのです。
    そして客を2人乗せて「えっさえっさ」と掛け声をかけながら、園内を回るのです。この早カゴには1階席と2階席とをあわせて2人分の座席があり、左右両方の窓からは外の江戸情緒のまじった景色も楽しめます。
    この馬たちは関西で生まれ育ったエリート・インテリの馬らしく、「おいでやす」「まいどおおきに」「なんでやねん」・・・と人間顔負けの流暢な関西弁で愛想よく応対する、サービス精神満点のけったいな馬でお客様の絶大な人気を集めています。

    この早カゴには馬たちが元気をだして担ぎまわるように、いろいろな思いやりのこもった装置がついています。

    早カゴの屋根にはシャワーがついていて、このシャワーから栄養ドリンクが流れるのです。馬たちは担ぎ回って疲れるとこのシャワーをだし、頭から栄養ドリンクをあび、疲労回復し元気モリモリとなって再び担ぎ回るのです。

    また、この早カゴには馬たちが元気をだして担ぐように楽しい応援ソングも流すのです。昔流行った「走れコウタロー」という競走馬への応援歌をもじった、「かつげウマタロー」という応援歌も流し、馬たちに元気をださせるのです。

    馬たちは交替で早カゴを担ぐのですが、一定時間以上担ぎ疲れた馬たちは休憩所で休みます。食堂で大好物の馬サシや馬肉などを食べますが、勤務時間内の飲酒は特に厳しく禁止されています。

    これには訳があって、以前この馬たちのなかの一頭が酒を飲みすぎて酔ったこの馬と酔った豚が都内のある低級クラブでお気に入りのホステスの取り合いから、けんかになり、店内で暴れ両方とも江戸・中央奉行所の豚箱と馬箱にぶちこまれるという前代未聞の不祥事があったことから、酒の飲みすぎは特に厳しく監視されているのです。

    (4)けったいな馬の2本足・競走・競馬
    タワーランド4つめの売り物がけったいな話この上もない「馬の2本足・競走・競馬」です。 そもそもこのタワーランドの売り物が2本足で歩き走るけったいな馬たちなのかも知れません。
    ランド内にある競馬場で馬が2本足で走って順位を決めるのですが、レース中に前の2本足のどちらかでも地面についた場合はその馬は失格となります。
    この競馬場にはもちろんパドックも、馬券売り場も、電光掲示板も観客席もありミニ競馬場という感じです。

    それではこれから、皆様の絶大なるご要望にお応えして娯楽SF時代劇テレビよりおそらく世界初といえるでしょう世にも奇妙な「馬の2本足・競走・競馬」。
    「2本足百万両ステークス」のもようを完全独占生中継でお送りいたしましょう。

    それでは本日のメインレース出走いたします10頭の名馬を御紹介いたしましょう。

    【馬番】
    1.オグリハット
    2.ミセス・シービー
    3.ステイ・シルバー
    4.トウショウ・ガール
    5.ハネダブライアン
    6.スリーポイント
    7.カントウ・テイオー
    8.レッド・グラス
    9.サッカー・ガール
    10.ニシノカチドキ

    各馬、身長4m・体重500kgの巨体に超特大のランニングシャツ・ランニングパンツを身に付けてスタートラインにつきました。
    「あっ、各馬ゲイトから2本足で立って走って飛び出してきました。実に奇妙な光景です!」 それではこの歴史的瞬間を視聴者の皆様にはVTRによって、繰り返し何回かお見せします。どうぞじっくり味わってごらんください。
    各馬、巨大をゆすって猛烈に走っております。
    各馬、ダンプカーのギアをトップに入れました。
    ジェットエンジン点火、続いてロケットエンジン点火、ものすごいスピードです。ものすごい地響きです。ものすごい鼻息をはきながら走っています。
    各馬、ついに制限速度をはるかに超えてついにゴールイン。そしてその時驚くべきことが起きたのです。
    ゴールした瞬間、その猛スピードにブレーキをかける為に背中に用意したパラシュートがパッと開いたのです。 すばらしい演出ですね。

    なおこの「馬の2本足・競走・競馬」の視聴率はもの珍しさから、ヒヒーンと跳ね上がり何と99%という新記録をマークしたのです。

    そして、表彰式の後1着と2着の馬がファンサービスとして賞金の千両箱をいっぱい積んだ百万両・早カゴを担いで場内を回ったのです。
    2頭の馬は観客からものすごい声援をうけて、とてもうれしそうです。

    (5)人々を江戸時代の姿に変身させる貸し衣装屋
    江戸城タワーランドを楽しむのなら姿も江戸時代風に変身させて楽しみたいという要望に応えるのが、髪型から衣装・刀・わらじまですべて人々を江戸の人々の姿に変身させる「貸し衣装屋」です。
    人々はここで武士・町人や江戸小町に変身してランドを楽しむのです。
    なかには「赤穂浪士」「新選組」「白虎隊」「月星頭巾軍団」・・・に特化した貸し衣装屋もいっぱい立ち並び、人々は希望の姿に変身して勇ましくランドに出かけていくのです。 ランド内はまさに時代劇の撮影所のような情景です。

    この江戸城タワーランドはオープンと同時にこの5つの売り物
    1.世界一高い建造物、江戸城タワー(1603m)
    2.ミニ環状線、SL赤穂浪士号・新選組号
    3.けったいな馬が担ぐ2階建て早カゴ
    4.けったいな馬の2本足・競走・競馬
    5.人々を江戸時代の姿に変身させる貸し衣装屋
    が大人気となり毎日超満員の入園者で溢れかえっています。

    園内には都内、主要駅とを結ぶ「江戸城タワーランド」行きのシャトルバスが頻繁に走り回り多くの観光客を運んでいます。

    園内には昔なつかしい紙芝居小屋、屋台・夜店なども立ち並び江戸情緒豊かな着物姿の男性・女性が楽しそうに歩いています。
    まさに江戸時代の縁日や祭りのようです。

    江戸時代のなつかしい風情と22世紀のすばらしい科学の力がうまくマッチしたこの「江戸城タワーランド」は人々にとってまさに楽しいパラダイスなのです。
    そしてさらにこの「江戸城タワーランド」オープンの日、5月15日は新しい国民の祝日「江戸時代を楽しむ日」と決まったのです。