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    華のお江戸の快男児 月光・星空・恋頭巾 恋頭巾ドットコム

    第1部
    目次

    あとがき


    第2部
    目次

    女子プロレス軍団ひきいて吉楽邸・討ち入りす

    時代劇ファン待望の月星頭巾、月姫・星姫劇団の浅草の春をつげる
    21世紀の日本初来日記念・特別講演が東京・浅草の月星頭巾、月姫・星姫シアター
    で開幕しました。この劇団は鉄筋7階建てのお城の形をしたしゃれた建物で
    別名、浅草月星城と呼ばれています。チケットの売れゆきも驚異的で
    発売と同時に千秋楽まで全席売れ切れという記録的な興行成績が
    予想されています。開幕に先立ち、3人のスパー・スターは3月13日の大安の日
    特別講演の成功を祈願する為、浅草の浅草寺をおとずれました。
    浅草の人々は地元生まれの3人をあたたかく迎え、大歓迎、大歓迎の嵐が
    ふきあれました。
    満員の観客の中には各界の著名人の方々の顔も見えます。
    あそこに見えるかわいいお姉ちゃんは、秋の味覚の柿パンちゃんですね
    今日はようこそおこし下さいました、ゆっくり楽しんで下さいね。
    次回はぜひ出演して下さい。月姫と星姫が日本にいない時は彼女たちの役でも
    いいですよ。

    それではさっそくこの舞台で繰り広げられるばかげたドタバタ時代劇について
    御説明いたしましょう。
    日本の仇討ち物語の最高傑作といえば何といっても、赤穂浪士、忠臣蔵でありましょう
    その忠臣蔵3人の江戸・幕末のスパー・スター月星頭巾、月姫・星姫が演じるとなれば
    前人気と期待感はいやおうなしに盛り上がります。
    でも1つ気がかりな面もあるのです。それは原作者が徳川犬康とかいう奇妙な
    ペンネームをつかうさえない三流の娯楽・ドタバタ時代劇作家なのです。
    その男が最近何を勘違いしたか、時代劇に何と女子プロレスラーを登場させ
    その場を盛り上げていると聞きます。
    時代劇はもちろん、現代劇でも女子プロレスラーを登場させ、その場を盛り上げる
    作家など絶対にいません。
    最新の情報によりますと今回上演する忠臣蔵にも女子プロレスラーが多数
    登場するというのです。
    しかも主役の月姫・星姫が浅野未亡人と大石夫人を演じ
    二人とも絶大な人気と実力を誇る女子プロレスのチャンピオンという役柄なのだそうです。

    忠臣蔵に女子プロレスのチャンピオンを登場させて、どうするつもりなのでしょうか

    忠臣蔵の物語というのは、亡き殿・浅野匠頭(たくみのかみ)の無念をはらす
    為に、浪士たちが吉良上野介(こうずのすけ)の屋敷に討ち入りし
    吉良の首をとるというものですが
    討ち入りに加わる予定の同志たちが次々と不覚にも恋の病・恋して恋して恋しちゃったのよ病
    にかかり、腑抜け状態になり、赤穂・恋愛病院の医師の診断書をそえて、
    大石・月星頭巾、大蔵助に次々と仇討ち入り不参加を申し入れ、浪士たちは完全に
    討ち入りする前にギブ・アップしたのです。恋の病の原因は月姫・星姫といううわさもありますが
    この時代劇は、常に何らかの恋の病が流行しているのです。
    これを聞いた浅野未亡人の月姫と大石夫人の星姫は激怒し
    「亡き殿の無念をはらす、吉良邸討ち入りは妾(わらわ)が赤穂浪士の妻たちや
    恋人たちを猛特訓し、女子プロレス軍団・ドロップ・キック隊をつくって
    女たちだけで決行し、必ず吉良の首をとる、腑抜けな男たちにはたよらん」と
    かっこよくも力強く宣言したのです。
    そして、ここについた忠臣蔵の歴史始って以来初めての、21世紀風の
    女子プロレス軍団・ドロップ・キック隊による吉良邸・討ち入りが実現するはこびとなったのです。

    それでは幕があきます。舞台はすさまじい女子プロレス軍団の猛特訓の場面から
    始ります。
    プロレスの女王、月姫・星姫が彼女らに命じた猛特訓はそれはそれは過酷なものでした
    腕立て伏せ、腹筋、うさぎ跳、なわとび、ランニング…
    約半年の猛特訓のかいがあって、彼女らはぜい肉もおち、体力もずっとパワーアップし
    徐々に女子プロレスラーらしくなってきたのです。
    それからの半年は赤のレオタード、リングシューズをつけてのドロップ・キック、バック・ドロップ、 ボデー・スラム、ブレーン・バスター、…のプロレス技の猛特訓です。
    彼女らのドロップ・キックも徐々にさまになってきました。
    高さ、角度、スピード、命中率も徐々にさまになってきました。
    ジャンプした時、足の先と肩のあたりまでが、ほぼ水平になるまでに上達しました。

    そして、ついに夢にまでみた、亡き殿の無念をはらす、吉良邸・討ち入りの日、決戦の日が
    やってきたのです。
    実はその日は単なる討ち入りの日だけではなかったのです。
    もう1つ大きなイベントがおこなわれたのです。
    江戸・女子プロレスリング協会主催の記念すべき「第1回ドロップ・キック選手権大会」
    が同時におこなわれたのです。
    彼女らの1回1回のドロップ・キックを吉楽邸内設置したテレビカメラとコンピュータで
    高さ、角度、スピード、命中率…にわたって1瞬に記録分析し、電光掲示板に点数が
    表示されるのです。そして総合順位が決められ、討ち入りで首尾よく吉良を倒せば
    祝勝会の席で表彰式がおこなわれ、金メダル、銀メダル、銅メダルが授与される
    のです。そして楽しい、楽しい慰労カラオケ。パーティーもおこなわれるのです。

    さあ、すべての準備がととのったようです。
    吉楽邸の周囲には、大石・月星頭巾・内蔵助、月姫・星姫ひきいる
    女子プロレス軍団・ドロップキック隊、総員50名が集結しました。

    さあ、これからは、江戸・紙芝居テレビの実況アナウンサー
    プロレス中継の名人、黒縁メガネのFアナウンサーの名調子にのせて
    緊急・特番「21世紀風忠臣蔵・月姫・星姫ひきいる、女子プロレス軍団、吉楽邸
    討ち入り」を実況生中継でお送りいたします。Fアナウンサーどうぞ

    「時は元禄15年(1702年)12月14日、場所は本所、吉楽邸・特設リング
    大石・月星頭巾・内蔵助、月姫・星姫ひきいる、女子プロレス軍団、ドロップ・キック隊による世にも奇妙な吉良邸、討ち入りが今まさに始ろうとしております。
    まず最初に、大石・月星頭巾・内蔵助と月姫・星姫が邸内に入りました。
    額には赤穂と書いたハチマキをしめております。月姫・星姫はもちろん
    赤のレオタードとリングシューズを身にまとい、いつでも戦闘体制であります。
    「カーン」第1ラウンドのゴングがなりました。
    さあ吉良邸、討ち入り・タイトルマッチとドロップ・キック選手権大会の始まりです。
    あっ女子プロレス軍団、いっせいに吉良邸の中へなだれこんでいきます。

    うれしそうな顔をして走っていきます。
    大石・月星頭巾が、陣太鼓を叩きながら「いけいけ」とさけんでいます。
    女子プロレス軍団が次々と建物の内に入っていきます。
    あちこちから悲鳴が聞こえます。私もこんな世にも奇妙な吉良邸討ち入りの
    実況は初めてです。身に余る光栄です。一生の思い出になります。
    原作者の方に厚く感謝申し上げます。絶好のチャンスです。
    この際私も今夜はどさくさに紛れて、目一杯ばかを言わせていただき、
    楽しく、楽しく実況中継をさせていただこうと思っております。
    あっ、座敷内から吉楽方の家来たちが飛び出てきました、いたるところで
    ドロップ・キックがさつれつしています。驚き怒った吉良方の家来たちが着物を
    ぬぎすて、かつらもはずし、しゃれたTバック型のふんどし1つにになって、つかみかかって
    きました、完全にプロレスの試合の様相を呈してきました。
    今だかって見たこともない、剣術とドロップ・キックの戦いが繰り広げられています。

    この吉良邸内の戦いのもようは、江戸・紙芝居テレビの実況中継で
    江戸じゅうの家庭に生中継されたわけですが、
    このテレビ中継を見てムラムラと血が騒ぎ、この戦いにぜひ参加したいと、
    奮い立った人たちがやはりいっぱいいたのです。
    最初の人たちは女子プロレス軍団と戦ってみたいと熱望する困った、熊った
    ハレンチ親父たち。
    次が各奉行所に勤務している婦人警官の人たちだったのです。
    それでは今回はこの婦人警官の皆さんに特別参加、特別出演していただき
    このばかな話を、楽しく、楽しく先に進めていきましょう。

    各奉行所に勤務している婦人警官の皆さんにはこのテレビ中継を見て、
    瞳を輝かせ、胸を高ならせ、この戦いにぜひ参加したいと
    時の警視庁長官に嘆願したのです。
    「こんな歴史上有名な赤穂浪士の吉楽邸・討ち入り事件をさらにこんなに楽しく
    21世紀風にパロディー化した今夜の事件に、江戸・幕末のスーパースター3人と一緒に
    婦人警官・女子プロレス軍団・ドロップ・キック隊ネイビー・ブルー・ポリス・ウーマとして

    戦う、こんなに楽しく、ばかげた出来事なんて絶対にあるものではありません。
    今夜だけは目一杯ばかな気分によいしれながら楽しく、楽しく勤務にあたり
    たいのです。私たちはネイビー・ブルーのキャップとレオタードをつけて
    力一杯ドロップ・キックを連発して職務をまっとうします。
    生涯忘れえぬ、子や孫に楽しく語ってあげられるような、青春のめちゃめちゃ楽しく
    阿保くさい、すばらしい思い出をつくりたいのです。こんなチャンスはめったにあるものではありません。
    警視庁長官だってそう思うでしょう、ぜひいかせて下さい、ぜひ戦わせて下さい」
    「そして、さらにもう1つ、楽しみなことは、討ち入り後首尾よく吉良の首をとれば
    江戸・幕末の3人のスーパースター、あこがれの月星頭巾、月姫・星姫が
    近くのカラオケ・居酒屋で楽しい慰労会、討ち入り勝利・祝勝会
    ドロップ・キック選手権の表彰式してくれることなのです。
    私たちは子供の頃から3人の大ファンだったのです。サインをもらったり、写真をとったり
    デュエットをしたり、今から楽しみでしょうがないのです。」
    すると警視庁長官は「そこまで行きたいのなら、行ってきなさい
    そのかわり、テレビ中継やっているのだから、おかしくなっても笑っちゃだめだぞ
    そういう時は笑いをこらえて、びしっとドロップ・キックをきめてきなさい」
    こうして各奉行所の婦人警官50名はパトカーに分乗して、サイレンをならして
    本所の吉良邸へ向かったのです。
    吉良邸の周囲はもう黒山のヤジ馬でごった返していました。
    到着した婦人警官・女子プロレス軍団の半分は、各入口の警備にあたりました。
    吉良邸の周囲には中に入って月姫・星姫ひきいる女子プロレス軍団と
    アトラクション・プレーで戦いたい困った、熊ったハレンチ親父がいっぱい集り
    「中に入れろ」「中に入れろ」と騒いでいます。その親父たちを婦人警官
    ドロップ・キック隊がしかりつけながら、ドロップ・キックを放って、けちらし
    排除しています。想像するだけでも楽しくなるような光景ではありませんか
    今までにこんなに楽しい、絶対に忘れないような討ち入り風景があった
    でしょうか、ぜひテレビ・ドラマか映画にして、今回の3人の公演を見れなかった
    多くの人たちにも見てもらいたいものです。
    彼女らの勇気ある行動は警視庁にも、江戸じゅうの人々からも称賛されました。
    彼女らは現在・各警察署に配属され、多くの実績をあげている

    いかにも強そうな名前の婦人警官・女子プロレス部隊の始まりだと
    いわれています。

    中庭では吉良方の家来たちと女子プロレス軍団の激しい戦いが
    繰り広げられています。
    今日は寒い中、重い体と、老体にムチうってドロップ・キック
    本当に、本当に御苦労様
    見ていると、ジャンプしても足先が相手の体からそれて、からぶりしているのも
    けっこうありますから、たいへんでしょうが、足先が相手の体からそれないように
    ねらいを定めて正確にキックしてくださいね。
    そして、討ち入りが終ったら、温泉にでもいって、ガタガタになった体を
    ゆっくりいやしてくださいね。

    月姫・星姫が吉良の行方を追って建物内へ消えてしばらくたちます。
    肝心の吉楽の行方はどうなっているのでしょうか、気になります。
    あっ、建物内から「ピーッ」という笛の音が聞こえます。
    どうやら月姫・星姫が吉良を見つけたもようです。
    テレビ・カメラさん、そちらのもようを中継して下さい。
    リポーターのアナウンサー、そちらのもようを伝えて下さい。
    あっ、吉楽らしき老人の回りに大石・月星頭巾がいます。
    浅野未亡人の月姫そして大石夫人の星姫が女子プロレスラー姿で立っています。
    婦人警官・女子プロレス軍団も何人か立っています。
    「貴様が吉楽上野介か」「さよう、確かに拙者が吉楽上野介じゃ」
    「貴女が浅野未亡人・月姫様か、こんな美しい夫人がいるのなら、
    もっと浅野と仲よくしておけばよかった。
    拙者はこの場面を何十回も演じてきたが、回りに女性がいるのは初めてじゃ
    それに皆、見たこともないかっこいい着物を着ているのお、レオタードというか
    この歳まで隠し続けてきたが実は拙者も恥しながら、困った、熊った
    恋態じじいで、貴方方3人が主役ででている娯楽・SF時代劇の女子プロレスラーが
    活躍する物語を読んで感激し、ああいうロマンチックで情緒のある死に方を

    したいとあこがれていたのじゃ、死ぬ直前に最高の女性とめぐり逢えて
    幸福じゃ、貴女方の強烈なドロップ・キックをくらって、気分よく、ロマンチックに
    死にたいのじゃ、たのむぜひやってくれ、遠慮はいらん。
    初めて女性に首をとられるわけじゃが、今回のとられ方が一番情緒があって
    ロマンチックでうれしいぞよ、これからもずっとそうしてほしいな。
    葬儀も納骨も物語で見たのと同じように貴女方がかかわって
    楽しく、ロマンチックにやってくれ」
    これをすぐ横で見ている婦人警官・女子プロレス軍団も必死に笑いをこらえて
    おります。
    それを聞くやいなやまず星姫が強烈なドロップ・キックを一発かませ
    続いて月姫が「亡き殿の仇き、恋態じじい覚悟しろ」とさけびながら
    強烈なドロップ・キックニ発をかませ、吉楽はロマンチックな国へ旅立ったのです。

    後日おこなわれた葬儀には月姫と星姫は尼さんスタイルで参列し、
    とくいのロマンチックな恋歌風のお経をよみ、吉楽の霊を慰めたのです。
    しばらくしてからおこなわれた納骨の際は、彼女らのプロマイドとサイン色紙
    も一緒に納められたのはいうまでもありません。

    討ち入り後、月星頭巾と月姫・星姫の3人は慰労会の為、近くの
    カラオケ居酒屋を貸し切り、赤穂女子プロレス軍団と婦人警官・女子プロレス
    軍団を紹介し、吉楽邸・討ち入り祝勝会とドロップ・キック選手権・表彰式と
    あわせて、楽しく、楽しく慰労してくれたのです。
    窓から聞こえてくる、楽しそうな歌声と笑い声は絶えることがありません
    でした。婦人警官・女子プロレス軍団の皆さんもさぞかし、生涯忘れえぬ
    めちゃめちゃ楽しく、めちゃめちゃばかくさい、すばらしい思い出ができたこと
    でしょう。

    これで第一部は修了でございます。
    第二部の公演までにしばらく時間がございますので
    そのあいだに今回の公演ポスターをどうぞご覧下さい。

    第二部  歌謡祭

    長らくお待たせいたしました。それでは第二部の開演でございます。

    広い夜空も淡い月の光やきらめく星がなかったら、ただの真っ暗闇にすぎません
    月の光やきらめく星があるからこそ、夢も生まれ、希望も生まれ、恋も生まれ
    歌も生まれるのです。
    私達の心も夜空にきらめく、すてきな3人のスーパースターがいるからこそ
    夢が生まれ、希望が生まれ、恋が生まれ、すてきな、すてきな歌声も聴けるのです。
    「月星頭巾&月姫・星姫シスターズ・江戸・幕末歌謡祭」開演でございます。
    まずオープニングは「三人の一番好きな歌」メロデーでスタートしましょう
    月星頭巾「宗衛門町ブルース」月姫「私祈ってます」星姫「天使の誘惑」
    それぞれ、心をこめて歌ってくれました。
    続いて「時代劇主題歌集」として
    銭形平次、水戸黄門、隠密剣士、新選組、白虎隊、忠臣蔵
    白馬童子、新吾十番勝負、花笠道中…を歌ってくれました。

    次にふざけて、親父ギャグコーナーとして
    天下の奇病、頭尿病の発見、研究につくした大医学者
    月星剣学博士の偉業をたたえて
    頭尿の灯りをいつまでも、頭尿ナイトクラブ、頭尿だよお母さん
    が歌われました

    別れても好きな人、昔の名前ででています、愛して愛した愛しちゃったのよ
    知床旅情、ラブユー東京、高校三年生、花咲く乙女たち、いつでも夢を
    思案橋ブルース、君といつまでも…なつかしさがこみあげてきます。

    あっというまに時間は過ぎ、ステージの上は観客からのプレゼントや花束であふれ

    歌謡祭は感動的なフィナーレとなったのです。

    別れをおしむ観客が総立ちで手をふり、歓声をあげるなか
    3人は「東京ラブソティー」「五番街のマリー」「星影のワルツ」を歌い

    3人はすべてを歌い終えると、ステージの後方にある
    宇宙船「月星頭巾号」に乗りこみ、銀河の彼方へ向かって飛び立っていったのです。
    今頃、彼らは超猛スピードでどこかえ向かっているのでしょうか?

    超満員の観客の皆さんも、さぞかし生涯忘れえぬ
    楽しい、すばらしい思い出となったことでしょう。