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ファン・クラブ「楽しい楽しいファン感謝デー」

月姫･星姫ファン･クラブは会員数が30万人もおり、当時の彼女らの爆発的人気を
物語るような超人気ファン･クラブであった。春･夏･秋･冬、年4回おこなわれる
ファンクラブの「楽しい、楽しいファン感謝デー」は江戸じゅうの親父ファンが
指折り数えて、徹夜で並んで待つほど楽しい「胸ワクワクのビック･イベント」だったのです。

ファン･クラブに入ると、月姫･星姫のかわいい似顔絵の描かれた帽子が渡され
それをかぶっていると、彼女ら2人からウィンクや投げキスをしてやると約束したとあって
親父ファンたちはすべて、それも期待してその帽子をかぶってやってきたのです。

親父殺しの「100万ボルトの悩殺ウィンク」「100万両の悩殺キス」
遠くアメリカのニューヨーク･タイムスにも絶賛され、海外にも親父ファンがいると噂された
彼女らは、実にファン思いで、ファンサービス旺盛で、
その日が親父ファンにとって「生涯･忘れえぬ、生涯･最も楽しい日になるように」
いろいろな知恵をふりしぼって、楽しい、楽しいプログラムを考えたのでした。

それでは、その楽しい、楽しいプログラムを楽しく御紹介いたしましょう。

1.田植え大会
　　1つの田んぼに彼女らと親父ファンが入って、仲良く田植え
　　彼女らは、ビキニ、ハイヒール姿で田植えをしたのです。

2.10人がかり、剣術･真剣･勝負
　　彼女ら2人に親父ファン10人が挑んで戦う剣術･真剣･勝負
　　彼女らはファンがケガをしないように木刀を使って戦うのです。
　　それでも彼女らは真剣を使って戦ったファン10人に簡単に勝つのです。
　　彼女らがいかに強かったかということです。

3.カラオケ大会
　　のどに自慢の彼女らとのどに自慢のファンたちが
　　いくつかのカラオケ茶屋に集って、お団子を食べながら楽しくカラオケ大会
　　当時の歌や将来20世紀、21世紀にヒットすると思われる歌を
　　皆で歌って、楽しく大フィーバーするのです。

4.稲刈り大会
　　先ほど田植えした田んぼの稲も順調に生育し、稲刈りとなりました。
　　彼女らと親父ファンが田んぼに入って、仲良く稲刈りをするのですが
　　彼女らの格好は田植えの時と同じです。
　　（田植えから、稲刈りまでの時間が短いですが
　　　娯楽時代劇ですから、なにとぞ御理解下さい）

5.今、刈ったばかりの新米も入れて、楽しく「ちゃんこ鍋パーティー」
　　月星部屋の乙女･横綱・月姫山、星姫山の写真が飾ってある上り座敷で
　　チャンコと酒で楽しく、大フィーバー

6.月星頭巾劇団と月姫･星姫合唱団による時代劇と歌謡ショー
　　江戸城前･広場にカラフルなボンボリと絵ローソクを取りつけた野外ステージで
　　月星頭巾の時代劇と人気･歌手 月姫･星姫の歌謡ショーがおこなわれ
　　現在の東京ドームや武道館のコンサート以上の盛り上がりをみせた。

7.大人気 サイン会
　　居並ぶ多くのファン達に、彼女らは優しくウィンク、投げキスを連発し
　　念願のサインを手にした親父ファンはうれしさの絶頂だったのです。

8.最後は日も暮れ、暗くなり、夜空の月と星の下で、楽しく「盆踊り」
　　皆で浴衣･草履で集って「月星音頭」を踊る
　　フィナーレは夜空にきらめく月と星を見ながら
　　「月がとっても青いから」「月影ワルツ」を大合唱

このようにして、江戸じゅうの男性ファンが指折り数えて待ち続けたファンクラブの集いも
楽しさのあまり、あっというまに過ぎてしまいました。
もうすでに男性ファンの頭の中は次の集いのことでいっぱいで
どんな楽しいプログラムになるか、今から楽しみに1日、1日指折り数えて
カレンダーに印をつけて待つのです。
本当に女にほれた男というものはいつの時代も、子供みたいで
困った、熊ったものですね。